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March 10, 2009

ワルキューレ

ドイツ軍のシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は愛する祖国の行く末を憂えて意を決し、ヒトラー暗殺計画に身を投じる。
実際に行われたヒトラー暗殺計画を『X-MEN』のブライアン・シンガー監督が映画化した作品。
歴史上の実話をサスペンス映画として描くのは難しい。ヒトラーは死なない、つまり、計画は失敗することを観客は最初から知ってしまっているからだ。知っていても引き込まれる魅力がなければならない。残念ながら、本作にはそこまでの魅力はなかった。恐らく事実に即したためだろう多くの登場人物と、本番の暗殺計画が動き出す前の小さな事件が煩わしく、暗殺計画の少々入り組んだ展開もいまいち分かりづらい。
折角、いい演技もできるトムを使っているのだから、反骨の愛国者としての主人公の人間性を描くものにして、暗殺計画に踏み込むまでの経緯や、その後の葛藤、失敗してからの心の動きに焦点を置けば、もっといい映画になっただろう。だが、シンガー監督だからか、そんな手腕は発揮できなかった。トムの映画としては、『ミッション・インポッシブル』から独創的な面白味とアクションを抜いた感じである。つまり、これといって何も残らない。駄目ではないが、目を惹くところもない、そんな映画だ。

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