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May 15, 2010

「サラリーマン」は敗北じゃない

  「サラリーマン」という職業は、敗北だろうか。とかく映画やテレビは、普通の会社員などの「サラリーマン」という職業を屈辱的で夢のないつまらないものの象徴として否定的に扱い、主人公が「サラリーマン」を辞めて芸術や起業の道を目指す人生ばかりを光り輝くものとして描きたがる。確かに「サラリーマン」生活をつまらなくて嫌だと思う事は多い。日々、辞めたくなる。しかし、だからと言って、「サラリーマン」自体を否定しようとは思わない。
 世の中には必要な仕事がある。「サラリーマン」が一人もいなくなったら、人々の生活は一日として成り立たない。それぞれの仕事の中に、それぞれの夢がある。「サラリーマン」の仕事にも他人を感動させる瞬間があるし、自分自身を満足させる瞬間もある。それに、芸術や起業の道が「サラリーマン」生活と違って、社会のしがらみや不条理から無縁な訳でもない。本やCDを世に出すにも、市場経済や人間関係が必ず絡んでくる。
 現実を否定して逃避しようとしたところで、世の多くの人々は「サラリーマン」として生きていく。「サラリーマン」である事がいけないのではない。どんな「サラリーマン」であるか、あろうとするが大事なのだ。働けば働くほど、うんざりするほど続く嫌な事に埋もれて諦めて、自分の気持ちを死なせないでほしい。作り話の世界ではない現実の人生で光り輝くかは、どんな職業に就くかではなく、どう働くか、どう生きるかだ。

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May 04, 2010

必要な職業に必要な賃金を

介護サービスを担う人材が足りない。インドネシアとフィリピンからの人材受け入れが始まったが、課される試験の合格率は約1%に過ぎず、規制の緩和を求める声が強いらしい。
介護を受ける側が満足できるなら、介護士が日本人でも外国人でもいい。素直に賛成できないのは、外国人を受け入れようとする側が、外国人を日本人より安い労働力として見て、そこにこそ魅力があると考えている事だ。外国人の流入を進めようとする声が、その理由に日本の少子高齢化に伴う労働力の減少ばかりを挙げてくる事だ。
日本における外国人の価値は、安い労働力でしかないのか。一方で、失業者の増加や若者の就職難が問題になっている。そもそも介護サービスを担う人材が足りないのは、仕事の厳しさの割に給料が低いせいだ。福祉の世界に生きるのを志す日本人も少なくないが、家族を養えない賃金の低さにやむなく辞めていく。
問題の根幹は、低い賃金で雇えるのが外国人しかいない事ではなく、社会的に必要な職に就業する人に対して十分な賃金を払えていない事だ。外国人なら日本人より低い賃金でいいという考え方は間違っている。
労働者が日本人でも外国人でも、不合理な低賃金を固定化させてはならない。支払われるべき金が支払われずに、どこかで浪費している。それは政府かもしれない。企業かもしれない。自分や貴方かもしれない。

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