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May 15, 2010

「サラリーマン」は敗北じゃない

  「サラリーマン」という職業は、敗北だろうか。とかく映画やテレビは、普通の会社員などの「サラリーマン」という職業を屈辱的で夢のないつまらないものの象徴として否定的に扱い、主人公が「サラリーマン」を辞めて芸術や起業の道を目指す人生ばかりを光り輝くものとして描きたがる。確かに「サラリーマン」生活をつまらなくて嫌だと思う事は多い。日々、辞めたくなる。しかし、だからと言って、「サラリーマン」自体を否定しようとは思わない。
 世の中には必要な仕事がある。「サラリーマン」が一人もいなくなったら、人々の生活は一日として成り立たない。それぞれの仕事の中に、それぞれの夢がある。「サラリーマン」の仕事にも他人を感動させる瞬間があるし、自分自身を満足させる瞬間もある。それに、芸術や起業の道が「サラリーマン」生活と違って、社会のしがらみや不条理から無縁な訳でもない。本やCDを世に出すにも、市場経済や人間関係が必ず絡んでくる。
 現実を否定して逃避しようとしたところで、世の多くの人々は「サラリーマン」として生きていく。「サラリーマン」である事がいけないのではない。どんな「サラリーマン」であるか、あろうとするが大事なのだ。働けば働くほど、うんざりするほど続く嫌な事に埋もれて諦めて、自分の気持ちを死なせないでほしい。作り話の世界ではない現実の人生で光り輝くかは、どんな職業に就くかではなく、どう働くか、どう生きるかだ。

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