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June 29, 2016

二重生活

大学院生(門脇麦)は実存哲学の修士論文を書く為の研究方法として「尾行」を教授(リリー・フランキー)から提案され、近所の男性(長谷川博己)を尾行し始める。小池真理子の小説を岸善幸監督が映画化した作品。
題材は興味深く、主人公演じる門脇の演技も上手いのに、それらを十分に活かしきれていないようで少し残念に感じられた。「現代日本における実存」という小難しい研究課題を掲げながら、結局のところ、不倫絡みの騒動に巻き込まれる程度に終わってしまっている。真面目な院生に妙な事をやらせながら教授に罪の意識がまるでなかったり、全体的に人物設定に多少疑問も感じられた。安っぽい修羅場や濡れ場をもっと抑えて、じっくり人間を描く本当に哲学的な撮り方をすれば結構刺激的な作品になる可能性はあっただけに勿体ない。ただ、そんな映画にすれば、恐らく商業的には失敗するだろうから、こうなったのかもしれない。
本作では、主人公が初めて尾行した男性がいきなり刺激的な場面を見せるので分かりやすい展開になったが、実際に街を歩く人を尾行してもそんな場面に出会う事は稀だろう。自分の日々の生活の単調さを思うと、主人公が自分を尾行したら、果たしてどんな論文を書くのか読んでみたい気がする。あまりの刺激のなさに尾行を止めてしまうか・・・なにはともあれ、門脇麦の次回作に期待したい。

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June 12, 2016

マネーモンスター

財テク番組の情報を信じて買った株が急落したと怒る男が、番組スタジオを占拠して司会者(ジョージ・クルーニー)を人質に。ディレクター(ジュリア・ロバーツ)は生中継を続けつつ、事件解決の為に情報収集を始める。
『リトルマン・テイト』等で監督歴もある名女優ジョディ・フォスターが、自身は出演せず監督に徹した作品。
スタジオ内での展開は緊張感があって良い。犯人の恋人の反応が意表を突くのも面白い。このままスタジオ内でずっと展開していくタイプの映画だろうと勝手に思い込んでいたら、途中からスタジオの外に出て、更に盛り上げて終盤に向けて大いに魅せてくれる・・・かと期待したら、案外、あっさり終わった。銃で脅してラストの言葉に至る展開は気持ち良くない。様々な都合上、犯人のラストが重くなるのは仕方ないかもしれないが、悪役のラストが中途半端で軽い。単純な勧善懲悪にならないのが現実だとするなら、そんな後味の良くないラストを迎えた後、主役2人がほのぼのとしているというのが・・・それに救われる観客もいれば違和感を持つ観客もいるだろう。自分は後者だ。社会派とエンターテイメントの両立を狙いながら、どちらも後一歩に終わった少し残念な映画だった。
余談ながら、犯人の男は投資の仕方を完全に間違えている。素人の自分でさえ、そう思う。単一の銘柄に全額突っ込んだら危ないことぐらい分かりそうなものだ。資産運用には十分気をつけましょう。

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