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September 08, 2018

檸檬のころ

高3の秋元(榮倉奈々)は東京の大学に進学しようと決めている。そして、彼女を想う野球部の二人、佐々木(柄本佑)と西(石田法嗣)。一方、音楽ライターを目指している白田(谷村美月)は、或る日、同じ様に音楽を感じている軽音楽部の辻本(林直次郎)と言葉を交わし、彼が初めて作った曲の作詞を頼まれた。
豊島ミホ原作の青春小説を、本作が長編映画第1作目となる岩田ユキが脚本・監督を務めて映画化した作品。
傑作だ。泣きそうになった。高校時代を思い出した。そこらのテレビドラマや映画の様に作りすぎた展開でなしに、ままならない日常の中にこそあるドラマと、その奥で揺れ動く感情が、静かに瑞々しく描かれている。
主演の榮倉奈々は、同時期に公開された映画『僕は妹に恋をする』の方がジャニーズの松本潤と共演したためか話題になっていたが、本作の方が映画の完成度も榮倉の演技も遥かに上だ。
しかし、本作で印象的だったのは、もう一人の主役、白田の方である。理解者を得た喜び、不安、喪失感、それらを経て、彼女の口から「詩」が零れ出す夜の場面は、同じ様に創作に手を染め、似た経験もしてきた自分が最も共感できた最大の山場だった。苦しみ傷ついて、だからこそ、創作の「天使」は舞い降りる。
実際に林直次郎が歌う主題歌も効果的で、CDも買ってしまった。本作のDVDも是非買いたい。

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