July 01, 2018

そら (平原 綾香)

デビュー曲『Jupiter』で一躍有名になった歌手、平原綾香の4枚目のオリジナル・アルバム。
少し聴いた限りでは、全体としてのインパクトは薄い。1・2枚目のアルバムに比べて、3枚目から内容がこじんまりしてきた。デビュー当初の衝撃が薄れて、彼女の歌を聴き慣れたせいもあるかもしれない。とは言え、彼女の歌は最初からいきなり衝撃的に訴えてくるというより、じわりじわり沁みてくるタイプだ。前作『4つのL』も一時は気に入らず中古に売ろうかと思ったが、まだ手元に置いていて、最近聴いてみたら、結構気に入るようになっていた。
本作は、5曲目の『しあわせ』が良い。美しいピアノと弦、ゆったりした歌、どこか『明日』に似た雰囲気の曲だ。この他、6曲目の『夢暦』や8曲目の『CHRISTMAS LIST』が耳に残る。ただ、『CHRISTMAS LIST』の珍しく社会性ある歌詞は、それ自体は構わないものの、「正義が勝つ」という一節がいただけない。そう思いながら聴くひねくれ者のファンは自分くらいしかいないだろうが。
自分が好きなアルバム『The Voice』に数曲収録されていた彼女の作曲曲が、本作に入っていないのも残念だ。
ところで、音楽には無関係だが、本作の彼女の写真は綺麗だ。『夢暦』の歌詞の左頁に掲載された彼女の横顔から肩にかけての写真は、本当に美しい。(個人的に好きな某女性に似ているというのもあるが)

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February 07, 2010

Takako Matsu Concert Tour 2010 Time for music

松たか子の3年ぶりのコンサート・ツアーで、中野サンプラザとサンシティ越谷市民ホールで行ったライブ。
安心して聴ける安定感がある彼女の歌は、今回更に上手くなって、流行りの専業歌手など足許にも及ばない。『優しい風』など多くの歌を、ミュージカルを思わせる声量で聴かせてくれる。前のライブでは伴奏が必要以上に大きいロック調で耳障りだったのに対し、今回はバランスが取れて彼女の歌の魅力を損なう事もなかった。ただ、彼女の歌は安定しているために詩的な抑揚も少なく、もう一歩情感に欠ける。囁く様な歌い方なども交えると、もっと表現の幅が広がると思う。
最も残念だったのは、一番楽しみにしていた曲、『500 Miles』を忌野清志郎の日本語版で歌ってしまった事だ。「ファイブハンドゥレッド」が「ごひゃく」になってしまうと、音の流れの美しさが濁って台無しだ。もう一つ苦言を呈するとすれば、アンコールの最後に歌った新曲が折角ライブ向きの曲調だったのに、そこまでの盛り上げ方が足りないために観客が十分にはノッてこなかった事である。これは日本の聴衆特有のおとなしさのせいもあるが。
ところで、3年前のライブでは彼女も自分も独身だったのが、今は彼女は結婚して夫と共にステージに立ち、自分も結婚して妻と共に観客席にいる。音楽とは関係ないところでも感慨深い気持ちになったライブだった。

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June 28, 2007

MATSU Takako concert tour 2007 I Cherish You

女優として歌手として活躍する松たか子が、大宮ソニックシティと中野サンプラザで行ったライブ。
全体的に伴奏の音が大きすぎてバランスが悪かった。特にベースとドラムが目立ちすぎるのは、ロックならばともかく彼女の歌には合わない。自分のお気に入りの曲『みんなひとり』も、そのせいで魅力が減じてしまった。どちらかと言えば、中野の時の方がバランスは改善されていたが、6年前のファースト・ツアーの時の方が良い。
しかし、ライブ中盤で彼女のピアノと金子飛鳥のバイオリンのみで歌った『a piece of life』からのアコースティックな数曲は心地好かった。これこそ松たか子の歌の魅力だ。その後は、彼女が今年で歌手デビュー10周年なのを記念してのメドレー。佳作揃いの曲を聴きながら、自分のこれまでの10年間の恋愛や仕事を思い返す時間。
6月10日の大宮は、奇しくも彼女の誕生日だった。松たか子も既に30歳。しかし、ステージ上の彼女はとても若々しく輝いていた。席が前の方だった中野では、彼女の表情がはっきり見え、時に目が合う錯覚も覚えた。「ほら、楽しんでる?」、そう彼女に言われている気がした。音楽も人生も。「頑張らなくちゃ」、そう思った。
残念な点もあったものの、基本的に彼女の歌自体は安定した巧さで心地好く聴けたし、MCも適度に上品さと気さくなユーモアが混じっていて楽しめた。次回は、よりアコースティックを重視した大人のライブを期待したい。

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